I am TOMi

日常の出来事を、誇張しまくって和訳感を絡めたテイストで日記にしていきます。

結露には勝てないんだぜ

「こんなの無しだろ!?」


俺は派手に結露した壁を見て、そう叫んだ。

確かに、滝みたいに雨が降ったあとに気温があがれば、壁が結露しちまうのは目に見えてる。

だがこのときの俺は、ひたすら壁を塗りお客がぐうの音もでねぇほどキレイに仕上げることしか考えてなかったんだ。

 

そして俺にはそれができると思ったんだ。

 

「おいおい、こいつぁひでぇな、誰がやったんだ?」

塗装歴30年のOGフミオでさえ、この状況にはうんざりしているようだった。

 

「知るかよ、どうせ近所のガキか、となりのイカれたJAPだろ。それにそれを知ったところでこのドラマは誰にもとめられねぇさ、ここは世田谷区、駆けつけるにも2時間はかかる、デロリアンにでも乗らない限りな」

 

俺がそうやり返すと、フミオはこう言った。

「そんなこといってねぇで、プロテインでも飲んでパパッと元気だせよ、結露したもんはしょうがねぇ。だが、そのクールにショボくれた面だけは、おめぇ次第さ」

 

そう、タイムマシーンを持っていない俺たちに、起こってしまった事は変えられない。
だがこれからのことは、明るくするもの暗くするのも全部自分次第なのさ。

「助かったぜBRO。あともう少しで俺は…」

「わかってらぁ、それ以上なにも言うな。そうだ!これから帰って倉庫の整理をするってのはどーだ?最高な気分になれるぜ」

 

フミオには、前に進もうという強い意思がある。
このOGのおかげで、俺はいつも最低な場面を、最小限におさえることができている。

今日は結露して塗れなかったけど、俺たちには明日があるじゃないか。

 

「へへっ、そいつぁ名案だぜ、いこーぜ、俺たちの倉庫へ!」

そして俺たちはおさらばするのさ、冷たく表情のないコンクリートと、ドイツ製の外車しか転がってない無機質なこの街をな。

 

なぁ、それって悪いことじゃないだろう?

 

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Lose Yourself

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